あめあめあめ

文化会館の屋根です

 今日は変則日程で午前一件、午後一件だった。雨の中をぎりぎりのガソリンで走るのいやだあ。どこかで10リットルだけ入れようかな。午前は朝早く一番の訪問。雨が強かったので猫ばあちゃんは敬老のお祝いでいただいたキレイなタオルをそっと出して『お使いなさい。雨で濡れるだろうから』と言ってくださった。この方はこういう細やかな気配りをなさる。お心だけいただく。子猫はみな元気ですとお伝えする。記憶がどこまで残ってつながっているのかが分からないので話がかみ合わないことも多いが今日は猫関連はスムーズにつながってゆく。
 午後は浜の近くの老人施設に行く。静かなあまりにも静かな人里のはずれと言う感じの場所に祖説が集合していた。ここで生涯終わってゆくのは寂しかろうなあと思う。空が果てしなく広くて山が迫っていて、目の前には農園が広がる。この先は海。確かにさえぎるものの無い空は美しいし騒音の無い環境は好ましい。でも限りなくさびしい風景だった。
 アパートの一部屋で隣接家屋の屋根の間からかろうじて空の切れ端が見える暮らしもあった。果たして人が最後を迎えるために何がふさわしいのか分からないけれど、その人が築いてきた自分の歴史の中で自分の暮らしの場所で穏やかに眼を瞑ることが出来たらきっとそれがいいのだろうなあと思う。その場所がどこなのかはその人にしか分からない。