行き先が決まって

白茶兄と黒妹

 こんなにも気持ちが楽になるものかと驚いた。家探しは負担が大きかったのだと改めて思った。残るのは一台分の近隣駐車場の確保のみ。見つかりますようにと祈る。
 夕べ私が会議に出ている間、蛙ちゃん夫妻が来てくれた。どうしてもなつかない黒い子猫の慣らしを試みてくれる。攻撃的なのは、臆病で怖がっているためなので、しかっても駄目。穏やかに人間は怖くないのだと分からせることしかない。そのための彼女の忍耐強さと優しさは稀有のものがある。
 ナウシカの一場面を思い出す。キツネリスと仲良しになる場面「怖くない、怖くない」私たちが初対面の精神・認知の障害を持った方たちとなじんでゆくプロセスも同じこと「私はあなたに危害を加えませんよ」と繰り返し、納得していただくまで態度で示してゆく。「優しい手」であることを受け入れていただく。確認していただく。その上で関係を築いてゆく。受け入れてくれないのではない、相手を責めるのではなく、受け入れてもらえる自分であるかが問われている。ラポートを取れるかどうかは実はこちら側の問題なのだ。動物はそれをもっと分かりやすい形で表現してくれる。カウンセラーの訓練に動物とのかかわりを組み入れたらよかろうにといつも思う。