相談が鳴りを潜めた

 と書いたとたん、電話。・・・・・大立ち回りが忙しかったらしい。この時期揉め事がないなんてはずがないのだ。できるうちに家のことをやってしまおうと思った。
 親分が夕べ教えてくれたこと。一ヶ月前に頂いた薔薇の枝,すっかり忘れていた。いつか花が散り「ああ捨てなければ」と思いつつすっかり存在を忘れていた。葉も落ちてすっかり茎だけになった薔薇の枝に新芽が出て薄緑色の葉が開いてきているという。へえええ・・・・見れば若々しいうす緑の芽が羽のように開きかけている。胸が震えた。下をむくことが多く、奪われることが多い日常で与えられたこの芽吹きの、なんと鮮烈で、けなげなことだろう。この薔薇が土に根付くものならば大地に挿してやりたい。色は淡いサーモンピンク。友人が庭に咲いていたものを遺族のグリーフワークのときの持ってきてくれた。ワークの後始末をしているとき頂いてきた。薔薇が好き。カスミソウが好き。ポピーが好き。どうも花びらが薄くて,ハラハラと散るか小さく丸まって,緑に隠れてしまうような,はかなげなものが好きらしい。