昨日は

 丸一日カウンセリングデイだった。精神科を受診なさっている方が殆どで、医者と患者の関係の難しさを痛感する。何分単位の短い時間の中で自分の一番必要な事を伝えかつ相手から答えを引き出すことはコミニケーションとしても高度のテクニックが必要。事務連絡ではないのだからそこに感情や響きの共有を求めるならば、もっと時間が必要だと思う。まして心を病むという事はそんなにてきぱきと自分を表現伝達なんて出来るはずも無い。時間をかけることも大切な治療なのだが、それを治療請求にカウンセリング料金とかかれると、患者にすればカウンセリングなんて受けていないのに、という気持ちになるのだろう。沢山のすれ違いが怒りになって表現され、ますます分りにくくなっている。話を聞きながら「なんと生きにくい人生か」と思う。深く同情を感じる。ではどのようにして現実を変えていったらよいのか。何一つ私には解決法は無い。本人が気が付くまでじっと待つ。状況を変えてゆく鍵は君しか持っていないのだという事をどうしたらわかってもらえるのだろうか。薬だけでは何も解決しないのに。無力感。
 悶々として夜はもう起きているのが限界だった。師匠が忘れていったジャックダニエルをロックにして飲んだ。何だか切なくて子供を抱き締めたい衝動に駆られる。目の前の大将に抱きつくわけにも行かず、体調不良で8時前にご飯を食べてすぐ寝てしまった姫を起こすわけにも行かず、ギュダ君の面影を頭の中で抱きしめる。君がもしここにいたらギュッてしてくれたね。あの子は私が滅入っていると「お母さん」といってギュッと抱きしめてくれた。死んだものは暖かな思い出だけになってゆく・・・