友達

 ベレーの注文を受けた。淡いピンクとサーモンピンクかかったピンクのツイードで細かい縞模様を編込んでベレーを編んでいる。彼女の健康を祈りながら彼女の笑顔に似合うような優しい手触りのベレーができる予定。其れとブルーの混ざり糸とギュダ君のベビー服を編むつもりで買っておいた淡い黄色の極細毛糸を2本縒りにしてコレも細かい縞模様にした。彼女と出会って何年になるだろうか。純粋でおおらかで、気持ちのしゃんとした誠実な人柄が大好きだ。今年は彼女にとって決して楽な年ではなかった。クリスマスにとナウエエンの本を先渡しにしてしまったから、なんだか変なのだけれど、ささやかな手の品を差し上げたい。よくこの一年間頑張ってきたね。念願の国家資格も取ったし、健康も取り戻しつつあるし。 ふと思う。大人になって新しく友達になるって難しい。それでも人は少しずつ成長していって私の方に人を受け入れる力が出来てきたら、一人また一人と与えられてゆくんだなあ。
 友達は育ちの遅い植物に似ている。こちらの時間割にはお構いなく、必要な時間をかけてじっくりと成長してゆき、ある日掛け替えの無い友達だったって気がつく。Jちゃんもそんな友達だ。