あと一日だぜ

浜辺の星

 原稿はまだできてません。あと一日しかありません。しかも、今日は5月6日に予約していたハリー本の発売日です。どうやって、時間をやりくりしようかな。
 昨日あの子のサボテンの種を蒔いた。芽が出てくれたらいいなと、祈りながら。種を蒔くことが命の再生をイメージしているから、身内をなくした人に、話してみたいと思ったことがあったけど、もし枯れてしまったらと、思うとこわくていえなかった。自分でやってみようと思ったのは、あの子が、生前蒔いていた種が、彼がなくなってから、小さな芽を出した。まるで、あの子が私達にラブレターをくれた様に思った。
 その後、もしからしてしまったらどうしようと、不安になった。ヤッと同じ物を見つけて、安心して育てることができるようになった。いつからこんなに、物にこだわったり、臆病になったんだろう。大きなものをうしなってしまったから、それに関連したものは、失くすことに恐怖を感じてしまう。自分ひとりの喪失ではないから、みんなに対しても責任を感じてしまうのかもしれない。
 それにしても、今日の空のすがすがしさはいったい何なんだ。台風一過といっちゃえばおしまいだけどさ。誰かにオーイ、ガンバレーと言ってもらったように思った。風でひっくり返った植木鉢を元に戻しながら、花の強さを思った。私の周りには、小さいけれど、たくましく生きている命が沢山アル。
 子供達が、さりげなく支えてくれようとしているのがわかる。自分だってつらいのに。子供はけなげだなって思った。さりげないだけに切ないよ。ありがとう。