夏休みの一日は

いかにも夏の空

 夏休みの一日は、子供が小学生のうちは、ラジオ体操で始まった。卒業したとたん、部活が始まった。毎日毎日なんで学校に行くんだよ。何のための夏休みさ。子供が学校から帰るのを待って、昼ごはん。ああやれやれと思ったら、もう午後三時、今日は何を食べようかね、などと買出しに行って、ご飯食べて御風呂、もう寝る時間。なんていそがしいんだろう。受験生が居た時はこれに塾がはさまって、何がなんだかわからないうちに、秋風が吹いた。今年は、おとなが7に子供が1、どうしたって、時間は夜にずれ込む。大人連中は朝方までチャットやら、ゲームやら、おしゃべりやら、労働者は明日に備えてそこそこで寝るが、オフの連中と学生は不夜城である。
 昨日までは指輪物語の三部作、だった。今日から「ラーメンズ」の4部作がかかりっぱなし。頭のしまりがなんとなく、ゆるむきがする。あついしー、あほいしー、という按配。こんな時お客様が、御線香でもあげにきたら、と思うとはたはたと、そうじをしたくなる。ところが、みんな頭の中がのびたラーメンになっているので、役に立たない。御盆休みはこんな風に過ぎてゆく
 昨日は親分が仕事で戻れなかったので、ジョナサンの祝20歳は今夜にもちこしになった。伸びた脳みそで、献立を考えてはいるのだが、なにも思い浮かばない。毎年キャンプ場で誕生祝いをしていたので、まっとうな台所で何ができるのか悩むなんて変だなあと思っている。とにかく思考力を奪われつつあることはたしかであるよ。
 ギュダ君に買ってきたオリエンタルリリーがどんどん咲き出した。すごいスピードでびっくり。あとで、昨日頼んでおいたケーキを取りに行こうっと。
 あとは、つくろいものだね。ほつれたところをぬいなおすのさ。人口密度が高くなるにつれて、居住面積がせまくなってくると、なんだかみんな不機嫌になる。おおまさにヤマアラシ症候である。おのれのテリトリーを確保したい、不可侵領域を侵されることに対する、いらいらである。暑いしなー、ジョナサンが裾の糸をひっぱったのさ。
献立は、ザワークラフトとソーセージのソテー、もずくときゅうりの和え物、御葛かけとそうめん、枝豆、なすとオクラのにんにくと下ろし大根あえ、ライ麦パン。デザートは、チーズケーキとメープルシフォン、桃とすいかは食べきらなくてあした。後はプレゼントの一山。よかったね。