夏休み本番。お盆だ

ギュダがいる

 よそに住んでいる家族がぼちぼち帰ってくる。居住区域にも見知らぬ車や、見知らぬ子供たちが、行ったりきたり。夏は帰省の季節なんだね。親がいなくなったふるさとはもう帰るべき家がなくなり、待つ人もいない。今にして思えばわずらわしかったけれど、夏と冬と年に二回は文句なしに帰っていい場所があったのだ。今は自分たちが子供たちのふるさとである。このふるさとは2,3年で移動してしまう。期間限定のふるさとであるが。
 昔、私がまだ子供のポジションであった時は、母は「なに食べたい?」と必ず聞いて、居る間の献立をくみ上げてくれた。ささやかなことだったけれど、自分のソウルフードだけを食べて過ごすことで、残りの半年を乗り切っていく力を蓄えたような気がする。いまさらだけど、御母さんにありがとう。母親の役割はいつも、居なくなって何年かしなければ、実感できないものらしい。生きている間は、なんてうるさいんだろうなどと罰当たりなことばかり言っていた。ごめんなさいね。今自分が貴女の立場になって、あの時のあなたの気持ちがよくわかる。私もまた口うるさい母になりつつある。いや驀進中かも。
 今年は新盆であるよ。私たちは、今年、大切な家族を旅立たせた。カトリシャンだから、仏教の行事は関係ないのだけれど、日本で暮らす以上日本の生活行事に関わって生きてゆくのも自然なことだ。第一、なくなった人に、仏教と、キリスト教と両方「里帰りチャンス」があるなんていいじゃないか。ギュダ君の好きだった自然の中で、焚き火をたいて、花火を燃やして、満天の星と、蛍を見ながら13,14,15日をすごす。水辺があって、森があるところで、静かなキャンプを張るよ。
 今、キャンプのメインメニューを考えている。スモーカーをもっていって、スモーク三昧てのはどうだろうか。不思議なもので、スモークすると、食材が別物に仕上がって実に、豊かな気分になるよ。ゆで卵だってかまぼこだって、いやはや今から御口がおいしくなってきた。 
 ちなみに、シンデレラが自爆して、ねずみとかぼちゃとぼろ服の,蛙姫が帰ってきたよ朝帰りってやつかね.おい。