6年間通った大学にさようなら

芽の先が赤く膨らんでいる

 今日は姫の学位授与式だった。思えば蛙ちゃんが入学して15年の月日が流れた。姉妹が同じ大学、同じ専攻というのはさして珍しくはないのだろうが、親にすれば長い長いこの年月だった。かつて姉にくっついて研究室で遊んでいた妹を知っている教授は、初めて見たときはこんなに小さな小学生だったねという。あのころの姉娘はずいぶん大人に思ったけれど今の彼女より若かったのだ。


 今日、長かった学生生活が終わったなあと思う。もう身分は社会人だ。もっとも我が家の習性なのか生涯何らかの形で自分の学びたい道を行くと思う。いくつになってもて学ぶことが出来ることは幸せなことだと思う。いづれにせよここで一つ章が終わった。なんだかまぶしくていとおしくて、親の大きな役割が終わったように感じた。
 

 もっとも、奨学金の返済が始まるから、そのような感傷は今日だけのたわごとなのだけれどね。被災地でなければ体験しなくて済んだことをたくさん体験して、今日のこの日がある。そのことだけでも彼女の頑張りをたたえたいと思う。あきらめない、投げ出さないでコツコツと歩き続けてきた。親はできることしかできない。たくさん我慢しただろうし、自分から封印したこともあっただろう。アルバイトを二つ掛け持ちして、スカウト活動をして、あそぶひまがなかったなあ。「今夜は帰れそうもないから。学校に泊まる」幾度も徹夜して、課題をこなしていたよね。いただいた成績表を見て頑張ったなあと思った。