ニモみいつけた!

ニモ&ニモ

 懐かしい。子供たちと横一列に並んでキャラメルポップコーンとジンジャーエルを抱えて見た。いろんな不幸が重なって、切ない年明けだったけれど、だからこそ元旦に見に行った。のんきな年でありますように。気持ちが穏やかな時間が持てますようにと祈る気持ちだった。何があろうと子供たちは健やかに、守られて安全な家庭環境の中で、成長する権利を持つ。それをどうすれば実現できるのだろうかと、思い、惑い、懇願した。明日どうなるかではなく、今日をどう生きるのかの綱渡りだった。


 ニモの鮮やかな色彩は現実を超えて胸に飛び込んできた。水族館で見かけたとき、胸がきゅっとした。あのころと基本的には状況は変わっていないのが切ないが、子供達は守られる存在から、自らを守れる存在になったのかもしれない。その反面私たち親が、守られる存在になりつつあるのだろう。


 の色はひとを元気にさせる。小さなクマノミは私に勇気を思い出させる。恐れてもいい。まず立ち尽くす勇気を持て。あの日立ち尽くして踏み留まった様に。