昨日友人のお見舞いに行った

山の雲

 夫婦単位のお付き合いで音楽仲間でもあった。姫の絵のモデルになってもらったこともあった。彼の調子があまり良くない。訪問したら喜んでくれた。寒い日だったのでストーブをほんの少し焚いた。部屋全体がふんわりと温かくなった。暖かくなるということがこんなにも人の気持ちを柔らかくするものかと驚いた。たき火を囲むのは意味のあることだな。寒ければ人は身を寄せる。身を寄せる相手がいないと気が付くと、自分が落ち逝ける場所を探して街をさまよう。私がかかわっているギャンブル依存の多くはこのパターンだ。人恋しくて雑踏の中に身を寄せる場所を見つけたのがたまたまパチンコだったりする。そしていつの間にかのめりこんでそこから出られなくなる。何かトラブルがあると気が付くとパチンコをしている。依存というけれどその根幹にあるもの、根っこにあるものは複雑で時間をさかのぼって覚知するしかないことが多い。悲しいけれど、もしこの人が誰かもう一人と手を温め合うことが出来たなら。このギャンブル依存は起こらなかっただろうと思う時がある。