肌寒い

季節はいったりきたり、肌寒いと思うのは梅雨の入り口だから。この寒さは好きだ。気持ちが夏に向かっていくのを引き留める。そんなに急がないでもう少しゆっくりと言われているように感じるから。そうだ、春の名残りの寒さや厳しさは消えてはいかないのだ。風が吹き花が咲き、木々が緑に染まって夕暮れ時、この色は夏の前触れかと思う。でもいっそ人と日に夏にとは思わない。鬱陶しいけれど、あの雨の毎日がほてった気持ちを静めてくれるように思う。