言葉にならない気持ちの不思議

銀杏の若葉

 胸の中にもやもやと、何か満たされたい思いがある。体は予定をこなして頑張って前に進んでいるが、心が置いてきぼりを食っているような気分。裏腹な不一致感がある。
 今日は美術館のはしご。これだけ綿密にスケジュールを組んで計画したのに、前まで行って「見なくてもよい」と踵を返す経験。気が向かないのは体力に不安があるから。意志の力だけでは引っ張り切れないことがあると知る。これしか体力がないのなら、何を残すのか。予定していた展覧会を三つ残した。
回ったのはマグリットルーブル→ブリジスストンのベスト・オブ・ベスト

さすがに酔った。見てよかったと思う。しみじみとよかったなあと思う絵がたくさんあった。この次ということがないから、きっとこれが最後と思うから、それだけで巡り合ったことがうれしかった。

自分が惹かれないものはみんなが並んでいても行きたいと思わないんだということを改めて確認した。見なければならないからではなく、三田井から見に行くといえることに、ああ、大人になったのだなあと感じた。いつも何かのために観ておかなくては、行っておかなくてはと駆られるような生き方をしてきたから、解放されたと感じる。