友人にいつもご機嫌な人がいる

mugisan2015-02-21

 彼女は、いつもご機嫌。相手にくらいついて議論を戦わせて、はた目には負けてコテンパにやっつけられても、その気持ちを引きずらない。この人の精神構造はどうなっているのだろうかと思うことがある。あまりにご機嫌なので、恐れを感じたり、なんで泣かないのかとむかつく人もいる。誰に危害を加えるわけでもないのに、あの強さが嫌だと、むかつかれることもある。
 それでもめげない。この人のそばにいると、何がこんなにこの人を支えているのだろうかと思う。思想信条があってのことというよりも、彼女はそういう生き方をしようと決めているらしい。人格や性格の問題ではなく、意思の力だと感じることがある。
 彼女は「人間に評価を求めない」という。言葉を返せば、人がどう思おうとも自分はその評価に惑わされないで自分の意志を貫くということになるだろう。疲れないのかと聞くと「人にもたれかかって気を使うことのほうが余計にくたびれるではないか」と答える。あなたは強いねというと「自分の足でしか歩けないから、むしろ周りの人のほうが強い」と答える。誰かに助けてもらうと判断した時は、きちんと援助を求めることも出来る人だし、誰かを助けるときは真っ先に駆けつける人だ。自分の弱さも、できないことも、やりたくないことも、やってはいけないことも、皆わかっていてやるべきことをやっているから人の口や目が怖くない。だから、いつもご機嫌なのだと思う。
 彼女は「さらりと生きて、すっと死ねたら最高」という。べたべたと情で人を縛ることもしない代わりに、自分の寂しさや悲しさを人に撒き散らさない。この人の生きる姿はまぶしい。時々こんな素敵な人生の達人に出会うと、背筋がすっと伸びる。生きる姿は人様々 だけれど、誰かのせいにしない生き方ができたらよいなと思う。生きることにおいて人は最期の一息まで現役なのだと覚悟した。