ベランダにリンゴ

夕陽はもう雲の下

 今年もそろそろかな。リンゴがもう少し手ごろな値段になったら餌場を作りたいのですが、常識的にいえば高層住宅のベランダで餌場を作るなんて非常識極まりないことだしね。ベランダの下に何かが落ちたらいかんではないのか。ということで下の階に迷惑がかからないような細工をしなければならない。毎年の楽しみなのだけれど、ちよっと不安な毎年のこと。 
 人間の思惑など関係なく、今日もヒヨチャンが手すりに留まって「まだないのかね」と声高く叫んで飛び去った。花のつぼみを食べるし、木の実をつつくし、決してヒヨチャンの評判は芳しくない。それでも毎朝飛んできては「やあ。無いの?」とのぞき込む姿はかわいくてたまらない。 野生の目をのぞき込んではならない。魂を吸い取られるからというけれど、それでも覗き込まずにはいられない美しさがある。