目の前で

mugisan2014-11-02

知人が倒れた。救急車を呼んで救急センターに搬送してあとは神様の御手にゆだねる。本当に命の瀬戸際で人は無力だと思った。くも膜下出血で何人かの親しい人が亡くなった。その一人一人の人生となくなってゆくまでの出駅ごとを思い出していた。人はその人の人生の最後の締めくくりを自分でつけることは難しいものだ。何かができると思ってみてもそれはささやかなことしかできない。捨てるべきものも捨てられず、残すべきものを告げることも出来ない。自らの肉体的苦痛に打ちのめされたら、もはやそれに耐える以外のことをどうやってすることができるのだろうか。

 その人の人生の最後の道のりを自分では選ぶことも拒否することも出来ない。聖書にあるように腰に綱をつけられて行きたくないところへ引いて行かれる。地部にとってそれがどのようなものあの科はその時にならなければわからない。

死をまじかにすると、おのずと自分自身の去りゆき方を思わずにはいられない。