先に進めない

壁の秋陽

 本当にしたいこと、やらなければならないことの見極めがつかなくてにっちもさっちもいかない。家族に重篤な病人がいたら、迷うことなく優先順位が付いてゆくのだけれど、珍しく看病と名の付く状況がない。自分自身のことを考えてもいいのだといわれて、途方に暮れている。

 この時間があとどれくらい続くのかはわからないが、この自由もそう長いものではないと体験から知っている。ならば今できることを先へ先へと推し進めてゆけばよいのではないのか。なんだか生き急ぐという言葉そのもののようだ。