さてお祭りだ

 今日は浴衣を着た人たちがぞろぞろと歩いている。町内のいろんなところで夏祭りがあるらしい。盛岡ではこんな夜は遠く近くさんさの太鼓が聞こえてくる。若いころ音を頼りに踊りの輪を探して混ぜてもらった。よそ者であっても誰でも受け入れる懐の深さがあったと思う。今それがあるのかはわからないけれど。夏祭りは本来お盆にかけてのことなのだろうが、いつのころからスケジュールが重ならないように少しずらして行われるようになった。
 故郷に帰って、懐かしい人々とともに盆踊りをする。灯篭祭りをする。それが日本の季節の姿だったように思うのだけれど、そんな故郷の暮らしの区切りも観光客の流れに身を任せるようになったんだなあ。少し寂しい。