私の育った家は

青葉山の青空

季節行事を大事にする家だった。誰かの誕生日は大騒ぎだったし、節句やお祭り事は必ず習慣に則ってやる家だった。だからこの仕事の手伝いをさせられると次に何が来るのかちゃんとわかった。この時期はクリスマスのお菓子作りがそろそろ始まり、クリスマスツリーや飾りが出てくる。サンタに手紙を書き、こっそり自分でも贈り物を用意する。小遣いが少なかったから、毛糸1たまを買って小さなネックウォーマーやミトンを家族に編んだり、手作りでなにか気の利いたものを探したりした。もらった人が喜びそうなものを一生懸命探すのも楽しかった。
 贈り物はもらうのも嬉しいが、相手が喜びそうなものを探すのも楽しい。ワクワクする季節だ。クリスマスは一人で過ごしてはいけないというけれど、誰もが心を柔らかくできるのは、こうやって誰かのために、嬉しい事を毎日考えて過ごすからだろう。