とにかくくたびれて

団地の森の午後1時10分

 もうどうにもならないと思うくらいぐったり感が残っている。年に一度命の授業をしてもう13年が過ぎた。毎年決して同じ事は言うまいと新しい資料を揃え、かつ基本をしっかりと伝えてきたつもり。高校3年生の夏に、命の大切さといかに自分の日常にその思いを活かすのかをしっかりと聞いて欲しいと願った。伝わっているのかいないのか私には分からないが、何時か自分自身が命に向き合った時に、心の何処かに今日のことが思い浮かんで踏みとどまってくれればいいなと心から思う。
 生きていくうちに、どんな悲しみと出会うのか、それはわたしにはわからないけれど、いつの日にか、私の名前なんか忘れてもいいから、どこで聴いたのかも忘れていいから、その人の命を守ってほしいと心から願っている。生きることは尊いことだ。生かすことは尊いことだ。生きることを支えるひとは神の業に生かされている。そう思ってこの時間をただ自分ではなく、果たすべき役割のこととして尽くしてきた。