月一回の内科

mugisan2013-05-25

 大震災があって私は直後に体調を崩した。そして一番近い内科に駆け込んだ。思いもかけずに定期的な数種類の検査と、薬をのむ生活が始まった。我が家は全壊だったから一時期医療費は無料になった。本当に経済的に不安だったから助かったと思う。
 それでも必要最低限の治療しか受けなかった。被災地では医療費がただになるから今のうちとばかりに病院をはしごする人達がいると非難する声が聞こえてきた。打ちのめされたような気分になった。私の身の回りの人達も含めて、自分が最低限必要と思った医療だけを利用したと思う。多くの人達は同じ行動をとった。この際だからと思って行動したひとは少なかったと思う。私たちは苦しい月日を、自分にできる最大の善意と節度を保って生きてきた。今、宮城県では医療の無料措置はない。避難してきている福島の方たちに対しては医療の無料支援は継続している。多分二年もあれば不調だった人たちも健康を取り戻すだろうと政府も行政も思っているのだろう。しかし、現実に健康を取り戻すには至らなかった。今はやりくりして自費で治療を受けている。
 もしあの時医療を受けようと思わなかったら、私はきっと入院しているか仕事を辞めるかしていただろう。もっと激しく壊れていたかもしれない。今まで自分の体は壊れないとどこかで思っていたから、自分も脆いものなんだとわかってよかったのかも

自分の身に起こって初めて分かることもあるのだと思う。受けることの大切さ。与えるだけでは実感を持って築くことはできなかった。私にとってこの病気はありがたいことだったのかもしれないな。