ホームレスを経験して

青葉のトンネル

支援団体に巡りあい、其のNPOが持っている施設に入居して、仕事にもう一度つくことができて、足りない分は生活保護を受けながら自立した人がいる。いろいろなことがあってきがつけばホームレスになっていったが、それはほんの一つのボタンの掛け違いのような人生だ。まだ青年期のその人の生きる道を共に探りながら、ひとはどこで道に迷うかわからないなと思う。ほんの少しの生きにくさを抱えながらそれでも乗り切っていくことが出来る人もいれば、気がつけばホームレスになっている人もいる。
 様々なわかりにくい障害を抱えながらも、なんとか自立への道を探してそして必死に生きようとしている。私は彼のために何ができるのだろうかと、思い悩みそれでも信じることが私の仕事だと思い、静かに見守ってきた。
 ホームレスは特別の人がなるものではない。ある気きがつけば帰るべき場所が見当たらなくなっている。そんな人生が現実にある。私だけが特別なのではない。しみじみとそう思う。運が良かっただけかもしれない。とくべつに恵まれているからかもしれない。
 今私にできることは精一杯全力で生きながら、それでも生き迷うひとの支えになることかもしれない。一人のホームレスの青年が、ただの普通の青年として生きはじめた姿を見てそう思う。普通であるということのなんと高きハードルか。