気になっていること

 被災地では多くの高齢者施設が被害を受けた。また、多くの高齢者が住まいを失った。家族が崩壊した人もたくさんいる。東北以外の福祉企業が介護施設を被災地に建てて募集を始めている。年金の殆どを支払わなければそこで生活することは難しい。それでも仮設住宅に住んでいるよりは、ふるさとから離れて住んでいるよりは、まだ我慢出来る。
 そんな姿を見ていると、蓄えていたお金がなくなってしまった時、健康でなくなった時、あなたはそこを出なければならないんだよと言ってみても、明日死ぬかもしれないのに、先のことを考えてこのチャンスを逃したら、もうふるさとに暮らすことはできないではないかと訴えられると「野垂れ死んでもいいから」との思いが本気であると感じざるを得ない。企業がニーズを嗅ぎ分けて利潤を追求することは自由経済であればアタリマエのこと。ただそのターゲットになっている人たちの必死の思いとの落差を私はヒリヒリした気持ちで見つめている。悲しいな。