思うこと1・17

 今日は阪神の記念日。表面は立ち直って何事も超えてきたかのように見えるけれど、被災者の暮らし向きの格差は開き、心の奥深い傷は癒えていない。神戸から震災支援に派遣されていた市の職員が自ら命を絶たれた。「果たして自分は被災者の役に立っているのだろうか」と上司に漏らしておられたそうな。燃え尽きてしまわれたのか、それともその方自身の心の傷が開いてしまったのかはわからない。ただもうやりきれなく悲しい。こころ優しく一生懸命な人が疲れきって命を絶っていくことが・・・・被災地に生きていると、すぐそばに、一緒にいる人の心の傷の大きさにふと触れて身がすくむことがある。みんなみんな傷んでいる。そしてそのことを訴えはしない。あたかも何もなかったかのように笑ったり、元気だよと云ったりする。薄皮一枚で生きているかもしれなくても。阪神淡路大震災からここまで時間が過ぎたけれど、多くの人の心の中のあの日の記憶時間はあの日あの時で止まっている。
私達もそうだから。止まったままの時間を抱えてあたかも何もかも過ぎたかのように生きているから。