あっという間に

一斉に満開

風に乗って桜が散っていく。道一面に花びらが降り注ぐ。風の通り道を知らせるように花びらが流れていく。はらはらとなんという優雅さ。
もう季節は走り出した。車の窓を開けて私は走る。香りの帯があるのだと思う。小鳥の声が聞える。胸が締め付けられる。あの日、こんな空気が流れていたのだ。もうすぐ来る別れのときを知らず、私はただ輝く季節の只中を満喫していた。