友人の御連れ合いが亡くなった

もうすぐ北へ帰る

日の変わるころ、亡くなったという。自分の生き方を自分らしく貫かれて駆け抜けるように旅立っていってしまわれた。友人は自分の生き方をしっかり持っている人なので朝に夕にICUに見舞っても、その様子を淡々と語り普段のように過ごされているようだった。ご病人に対しても、この人らしく生きたのだから、生きたように旅立たせてあげたいと願っていた。泣き言を言わず、かといって頑張りすぎもせず、怒りもなく、諦めもなく。彼女は現実を受け入れようと心を傾けていた。ひたむきな姿に私は居住まいを正したくなる気高さを感じた。
 今は友人や子供たちが沢山身の回りにいて彼女は忙しいだろう。一段落ついたころひっそりと御参りしようと思う。そして話したいことを話してもらおうと思った。北国に桜が咲くころ、もしかしたらもっと緑が濃くなったら・・・・