ネットをかぶっていたら出来なかったこと

ヒヨドリが来る

 この建物がネットをかぶっていたときはできなかったこと。ベランダにりんごを置いておくと6階の窓までヒヨドリが食べにくる。可愛い。小さな一口。この冬は木の実が豊富なのだろうか。それとも小鳥の数が少ないのだろうか。あまりへってゆかない。
 青い空を行くものたちの日々の営みはきっと人間よりももっと厳しく、彼らは懸命に身体全体で自分の命を支えているのだろう。私たちが生きているこの暮らしと、小さな命たちの暮らしが同じには思えない。人間がどんどん彼らの暮らしを苦しいものにしていくようで申し訳ない気分。奪って、その挙句にえさを与えるなといって、誰がその空腹を補填するのだろうか。ふと思うのです。