言葉・言葉・言葉・・・・

冬枯れ

 被災地に住んでいる人間が、正常な感覚で他人のための支援活動が出来るはずがない。そんなことはやめて、さっさと自分の家の片付けでもやればいいのに,と言われて絶句した。
 あなたの為に助言しているのだと言わんばかり。言葉にならない感情的な怒りがこみ上げてくる。なぜ私の心の中まで土足で踏み込むのか。人は誰かのためにできることがあるうちはかろうじて自分を保っていることが出来る。そこに自分の存在理由を見出すことが出来る。
 言葉を飲み込み、沈黙した。この相手に何を言ってもさらに大きな声と強い言葉で攻撃してくるだろう。この感情の捌け口にはならない。決してこの相手のゴミ箱にはならないと思った。言葉がどんなにつくろわれていてもそこに込められた悪意は匂いを発する。心を整えて、真摯であろうと思った。