間に合えば嬉しい

雪の下から

姫の成人式のお支度をしていない。身につけるものは新しいものを買ってこなければならない。長襦袢から上は白玉姉さんのお下がりを有り難く使わせて頂くことに。何と帯、帯揚げ、ぞうりまでセットで。肌着その他を駆け込みで買いに行く。半襟が白だけではなく刺繍のものが主流ということで見てみたら何とまあ可愛らしい。絹物とポリエステルがあるが、価格は桁がひとつ違う。ポリエステルは手洗いが効くので若い人にはこっちの方が良いのではというお勧めがあった。細かい桜の花びらを刺繍したものを購入。亡くなったBABAが聞いたら振袖の半襟に化繊刺繍のものを使うなんてとご立腹だったかもしれない。
 ふとあの人が生きていたら大喜びで孫娘の成人式のお支度を楽しんでくれただろうな、と思う。私の着物好きは多分に彼女の影響だ。彼女も和服が好きでよく普段から和服を楽しんでいたから。
 わたしが和服で過ごしたのは三人目の子を育てているときまでだったな。そのころだって周りで和服を着ている人はいなかったから、若い母親が和服で子育てをしているのは不思議がられた。すごく好きだったから不便さも気にならなかったが、さすがに四人目ともなると汚れるスピードが洗う手間を不可能にしてしまった。その時の和装小物と、今の和装小物が随分様変わりしているので驚いた。昔あって便利だったけれど今使われていない下着のデザインもあった。今、心配なのは着慣れない袂の長い振袖でトイレを上手に使えるのだろうかということ。
 これって昔人には考えられない心配事だよなあ。いい大人に向かって。
 着物っていつの間にか一生に一度か二度しか着ない特別なコスプレになってしまったんだなあ・・・何時かもう一度着物で暮らせたらいいと思うけれど、着物は洋服ほど洗濯が簡単ではない。昔の人が最低限洗い張りと縫い直しが出来て初めて成立する衣装なんだなと言うこと。今の生活の中で廃れてしまったのはこの管理の困難さだと思うよ。