盛岡シャルトル聖パウロ修道院

シャルトル聖パウロ修道院の林

 ご存知白百合学園を運営している修道会。美しい林を持っている。もう外の空気は冬のりんと張り詰めた厳しさを持っている。待降節に入って、教会は新しい典礼に入った。典礼暦は王たるキリストの主日で一年が終了し、新しい待降節に入る。クリスマスが来るのを待ち焦がれながら、そのために黙想会をしたり、新しい一年を如何に生きるかを思い巡らしたりする。私たちはクリスマスの幼子と共に新しい一年を迎えようと思う。
 毎年毎年、クリスマスの幼子はやってくる。たとえ1000年に一度の大震災に襲われた年であっても私たちはこの時をいつものように心を整えて迎えたい。クリスマスは家族であることを意識する時。いかなる人も孤独にこのときを過ごさないようにと願う。クリスマスはその直前にヘロデ王によって惨殺される二歳以下の男の子の犠牲の日がある。キリストはその誕生の日から悲しみに始まり十字架で終わる。何と痛みに満ちた生涯だろうか。私たちはその痛みを真剣に思い巡らすことがあるだろうか。華やかなお祭り騒ぎの影に深く沈む人生の痛みを感じるからこそ、一つ一つの季節のめぐりが美しいのかもしれない。
 クリスマスの幼子はやがて人間としての弱さや苦しさを体験して本来の救世主の姿に変容してゆく。その姿に重ねながら、この道を自分らしく生きていこうと新たに決意する。幾度もくじけながら、それでも叉歩く。倒れるごとに一歩主の道に近くなるのかもしれない。