困ったことがある

つたもみじ

 今まで汲汲として日々の暮らしに大変な思いをしていた人が、いきなりまとまったお金を手にした。災害義援金や生活支援金で1人暮らしでも150万くらい入ってくる。すっかり金銭感覚が狂ってしまっていきなり誰かれなく大判振る舞いをしてみたり、タクシーを乗り回して遊び歩いてみたりあれよあれよと言う間に残金が少なくなって「どうしよう」と青くなる。
 そんなこと判りきっていたではないかと思うけれど、この突然のお金がもたらした混乱は大きいと思う。しっかりと今後の生活の為に蓄えて置けないのかと思うが、早く使ってしまわなければ取り上げられてしまうと思うらしい。生活保護が停められてしまうから義援金は辞退するケースもある。何だかなあ・・と思うがそういう制度なのだから致し方ないのだ。
 生活保護を切られたら義援金辞退どころの金額の損失ではない。その日から生活できなくなってしまう。生活保護とセットになっている医療費の無料保護が大きいと思う。入院しても、手術しても保険適用内であればすべて無料で保護されるこの制度は生活保護だからこそのこと。今回日本の生活保護のあり方をすごいなあと改めて見直した。これを悪用する人たちがいることは、だからこそ腹立たしいと思う。今回保護を受ける資格のない暴力団関係者の違法取得が問題になった。そしてTPPになったらこの社会制度もゆらぐのだと思う。生活保護国民皆保険も貧しくても生きていくことが保障されている命綱なのだけれど、その立場にならなければありがたみはわからない。