魚を買いに行く

カトリック一本杉教会

 刺身用の秋刀魚と、味噌煮用の鯖を購入。久しぶりの青い魚だ。普段生臭いと言って魚を食べたがらない姫が、魚を食べたいと言ったモノだから気の変わらないうちに買いに行く。秋刀魚の刺身はこの時期しかいただけないから、たっぷり頂く。油が乗っているからお腹がゆるくなったりするけれど、うまい。たまなみかんが安かったので一箱買う。もう箱みかんを買う季節になったのだとしみじみと思う。 
 すべての避難所が解体して次の場所にみな移動していった。春、夏、秋、四季のめぐりは容赦ない。住まいの必要品だって衣類だってその都度用意しなければならない。お金がいくらあっても足りないと聞くけれど、一時しのぎに消えてゆく義援金に追加支給を考えられないものかと思う。一家の生計を担っていた人が亡くなると500万円。家族なら250万円。それでこの後生きて行くことができるのだろうか。


 魚を食べながら遠い海のことを思った。単純においしいなと喜べない。どうしてもあの情景を思い出してしまう。自然の一部にしか過ぎない人間の暮らしが、自然の異変の中で崩されていくのは致し方ないこと。それでもまた淡々と生きていくんだなあ。海の物も山のものも里の物も感謝していただきながら、決して人間だけが頂点に君臨する物ではないことを思う。