心も身体もへとへとで

 震災から6ヶ月が過ぎて、もうこれ以上頑張れないと思う。へたり込んだら歩けなくなりそうだから、歯を食いしばって、後もう一歩を踏み出す。毎日がかろうじて過ぎていく。
 辛くないと言えばうそになる。それでも生きることを投げ出すことは出来ない。まさか自分の人生にこんな日が用意されていたなんて思いもしなかったし、それがわが身に起こったとき、自分がこんな生き方をするなんて思ってもいなかった。かつて阪神淡路の被災なさった人々に関わったとき、彼らのけなげさと粘り強さに圧倒された。沢山のことを学んだ。そして今、自分が其の立場になって初めて、自分の中に粘り強さと、勇気を感じる。ここまで追い込まれなければこの「自分の中に与えられていた力」に気がつくことはなかったと思う。
 私は私自身を知らなかったなと思った。きっとこれは自分探しの旅のような形では出会うことの出来なかったものだろう。頭ではなく心が揺さぶられたとき初めて表れる「持って生まれた自分の強さ」に今回出会ったと思う。
 幾たびも自分の姿に驚き、少しずつなじみながら、私は私自身を親しい者として感じている。この震災がなければ、私は自分が神様から頂いた自分自身、本来の姿を知らないままだったかもしれない。