いつの間にか

mugisan2011-08-27

 蝉に代わって、秋の虫が鳴き始めている。しみじみと空を見ればすでに秋の雲だ。透き通ってまるで刷毛ではいたように細やかな表情を見せている。焼け付くような日々が過ぎてゆく。

 あの春の日からすでに半年近く経とうとしている。未だ家族の許に帰ることのできない方々、そして探し続けている人々がこの空の下におられる。そのことを思うとき、きりきりと胸に悲しみが突き刺さる。


 戻って来い・・・そう叫びながら探し続ける気持ちを痛みなく思うことは出来ない。ああ・・一日も早く愛する人の許に帰ることが出来ますように。伏して・・・伏して願います。