被災して

聖マリアホールステンドグラス

 長年すんでいたAPに住めなくなってホームに転居した方を訪問した。保護は受けておられないけれど、ホームの支払いをすると最早ほとんど手元には何も残らない。ささやかな願いは一人用の冷蔵庫だったり、夏の布団だったりする。それもかなわない。人生は一度ボタンを掛け間違えると、ズルズルと間違え続けるものなのだろうか。悲しみは悲しみの色を尚深くしてゆくものなのだろうか。たくましく笑い飛ばして生きるほど人間はタフではないのだろうか。そんな痛みを感じる。