研修に入るとき読む本

 この頃自分のためのサンクチュアリーがだんだん後退してきている気がする。もっと自分を守らなければと思い、気持ちを切り替える本を必ず一文字でも一ページでもながめることにしている。今日は道の写真集を持つ。扉の写真もよい。ここからいつでもさまよい出ることができるんだからと思っていたい。私のささやきは「逃げろ」。逃げることは悪いことではない。
 地下鉄に乗り換えるためのささやかな時間を、クラフトショップの流し歩きで過ごす。少し気持ちが逃げられた感じがして、研修に入れた。もう少し時間が在ったら何か小さな買い物をしたと思う。オーデコロンだったり、マニキュアだったり、小さなノートだったりその時々の何か。たぶん子供だったころ綺麗な小石を拾い集めてポケットの守りにした気持ちと同じような物だろう。一瞬気持ちを逃すことは大切。無駄なこととは思わない。物がたまるのが嫌なときは、消える物にする。