被災地だから出来ること

 メンタルケアを長期にわたって提供する方法を考えている。他の土地から救援に来てくださっているチームは時間の制約を受ける。この土地に生活し、共に被災した者が復興への長い年月を共に生きていくことでしかできないこともあるのではないだろうか。あの恐怖を体験した物にしか分かり合えないものがある。
 具体的に今、何が出来るのか。これから関わっていく人たちを訓練し一定の支援を提供するための基礎を作らなければならないと思っている。いきなりその場に行って人の話を聞くことは出来ない。聴くということは、話したことによって相手の心に起こるであろう痛みに気付き、その傷口に手を当てることが出来ねばならない。傷を塞ぐ力は本人にしかない。寄り添う者に出来るのはその傷がふさがり、回復するまで手を添えることであり、その人が耐えることを見守っていくことである。そのためには一定の研修で知識とスキルが必要。何よりも支援する側の体力と度量が必要。簡単なことではない。