頑張ろうって何を?

 テレビで、新聞で、頑張ろう・・・信じてる・・・と訴える。何をすれば頑張ることになるの。何を支えにすれば信じることになるの。心はもやもやする。毎日の余震に胃がキリキリしたり、お風呂に入っている間は余震が来ないでと祈る気持ちでそそくさとお風呂に入る。体中の関節がぎしぎしときしむ。こんなに疲れ果てているのにそんなに背中を押さないで欲しいと思ったりする。静かに自分の歩幅で、自分の歩調で歩きたい。自分に出来ることを、出来なければ出来ないと言いつつも、何とか生きていこうとする。そんな弱い私を許しながら生きて生きたいのに、それが許されないような気持ちになる。震災が打ち壊したのは目に見えるものだけではない。生きる喜びや、思い出や、愛情までも奪っていった。震災後の対処のずれで夫婦の関係が崩れていくことは神戸でも離婚の増加で気付いていたこと。自殺の増加と家族崩壊と、これから目に見えない被災の実際の姿が見えてくる。これからが本当に深い被災の傷に気がつく時期になる。
 


頑張るって・・・
どうすることなのだろうか。
無理しちゃいけないと思うよ私は。
休みながら、いたわりながら、
抱きしめながら生きていこうよ。
傷つけず、憎まず。
許しあうことを大事に思う。
そういう心のあり方に踏みとどまることが
頑張るってことのように思うのだけれど。