ガソリンが無い

修復できるのだろうか

そう思ってもう諦めて待っていた。もうあわてないことにしようと思って、仕事の再開にも「ガソリンが無いので」と断り続けてきた。言っても仕方がないから、言わなかった。
 遠方からぼちぼち友人たちが支援活動に出てくるようになって「会いたい」と連絡が来るようになった。久しぶりにお互いの顔を見て話がしたい、無事を確認したいという気持ちなのが判るから、私たちも会いたいと思う。どうやって彼らがいる場所まで行こうか。歩いていくしかない。ガソリンがあればなと思うことが少しずつ増えてきた。
 親分は周りがどうであれ、自分が動こうとおもわなければ動かない人だ。その代わり動こうと決めたら、誰がなんと言っても動く。昨日「待っていてももうこれは駄目だ」と言い出した。前回に引き続いて二箇所回って入れられず、これは回復を待っていてはどんどん自分の行動範囲をきっていくことになると思ったようだ。
 夕方自転車で、給油可能なスタンドを探した。情報が錯綜するから、足で探すしかない。今朝早く出かけたが電話を忘れていった。
 鍵のかからない玄関を職人さんが直しに来たから、私も出かけることが出来ない。低血糖が怖いからカロリー補給はせねば。大将に留守を頼む。
 行ったであろうスタンドは一箇所は確認してあるから届けに行くしかないかな。電話とお弁当と一緒に。かなり長距離を歩くのが苦にならなくなった。これはよいことだ。
蛙ちゃんも並んでいるというメールが来た。朝5時から並んでいるという。親分は出だしが遅いから今日もまた駄目かもしれない。
 お弁当を届けに行ったら、ちょうど四時間並んでやっと入れられた。灯油も並んでいたけれど疲れたから今日はもういい。長期戦に備えて途中でお弁当とイチゴを買ったけれど食べずに持ち帰った。少しずつ列が短くなって、流れるようになってきている。殺気立った雰囲気が少なくなった。それでも其の一区画を二回りして車が並んだ。ゆっくり、ゆっくり異常事態が変化してきている。日常へ・・以前とは異なる日常であっても。