親分

 かれの特性は、いかなる状況下であっても、そこに楽しみを見出すこと。この入院生活も自分で運動療法を楽しみに変えてしまっている。小鳥や、猫や犬との出会いや、さまざまな風景の写真を撮って楽しんでいる。彼を見ていると、この人が入院中の患者とは思えない。それなりの苦痛や不安はあるはずなのに・・・
 日中は何とか身体の調子は整えられるようになったらしいが、朝の計測データーが不安定。睡眠中の体内の状態がよくないのだろう。朝の数値が落ち着かなければ薬を使わないでの健康管理は無理だろう。どこまで自己努力を続けられるのかも・・・自分の意志だけで運動療法の計画と継続はどこまで続くのか、見守る。
 GSの帰りに、病院により大将も家から見舞いにやってきて合流。彼は父の好きなルピシアのお茶を何種類か買ってくる。今夜の食事は大将と「ひな野」で。こんなカタチで二人だけで食事をする機会は今までなかったから、すこし面映い。母と息子が何となく一緒に少し飲みながら居酒屋ダイニングで話をするなんて、ちょっといいな。これが父と息子ならまた違った物が見えてくるのだろう。終バスで戻った。
 それからが電話ラッシュで、次のGSの講習会の打ち合わせや教会関係の方との信仰についてのお話やら・・・まあ心に響く深い会話が出来たことは嬉しくもあり、一日の締めくくりとしてはありがたかった。人の本音に触れるとき、恐れに近い感動を覚える。そして人間のすごさに震える。聴くことが私の特性かも知れない。
 明日から今月末までいや三月十三日の講習が終了するまで怒涛の日々だ。あまりにスリリングで、手帳を見たくない。さて頑張るか。講習の時間割を眺めて用意する資料を考える。