リーダー養成の為のキャンプ訓練

雲が3本

骨が凍ってしまいそうな寒さでしたが何とか無事帰って来ました。昔の養蚕農家と言うのは天井が高くて囲炉裏がきってあってそれなりの工夫はすごいなと感心したのですが、火を焚こうと、炭を熾そうと隙間風と、だだっぴろさは半端ではない。何とかふすまを建てて一部屋に枕を並べて寝た。
 幸いにしてアンダーマット(薄型のエアマット、モンベル製)と薄手では在るがマイナス2度耐寒性の羽毛シュラフ(ウールリッチ製)の威力はありがたかった。インナーシュラフはシルクの封筒型のものを持っていたので装備としては、キャンプ用万全と思う。
 第一荷物のかさが少なくて済む。軒先まで車をつけて運び込みができる状況であっても、ひとりですべて自分のことをしなければならないから、軽くて小さな荷物のほうがありがたいのはいうまでもない。
 舎営にするかテントにするか。この季節は判断が難しい。たとえ家の中であっても、むしろテントのほうが気密性があって暖かかったのかなとも思った。しかし、朝露がびっしょり降りていたので、ぬれたテントの後始末を考えたら、今回の古民家舎営は正解だったと思う。テント訓練としてハウス型テントを「設営して、撤収して」テント訓練をしたが、ペグやアンダーシートのメンテナンスも入れて午後一杯かかった。テントはいくつかのタイプがあり、メーカーによって立てる手順も、立てる順序も違うことが多い。テントは小川テントのもの。誰も使ったことがない。 今回はテントを借りたので細かいことが判らず、立てながら「これでいいのか」と考える。
 ナイロン製の軽いドーム型のテントしか知らない人には「うそみたい」な重労働である。テント設営訓練が必要なのは、スカウトが小学生から自分の団のテントを熟知して、たとえ夕方であってもテントを設営したり撤収したりを自分達できちんとやることが求められるからだ。自分で出来ることの幅を広げてゆくことが、自立の見える形であり、技術力の成長でもある。それを訓練するリーダーはまず自分自身がしっかりした知識と技術を持っていなければならない。下手をすると事故につながることもあるから、野外活動は繰り返し技術の確認が必要。甘えは許されないときがある。その時しっかりと自分をもっていないと人を恨む。それは間違った心のありようだ。
 夕方、月が大きくかかった。静かに煌々とあたりを照らす月を見ながら、今日一日が無事に終わりそうだ初めて感じる。疲労感がある。しかし問題は、離れて立てられているトイレまで行くこと。昔の人はこうやって離れたトイレに子供だって行ったのだろう。最初は何人かで連れ立って言っていたが、いつの間にかひとりで懐中電灯を片手に行くようになった。無意識に、自分のペースでトイレに行くことができるようになった。びっくり。これって子供達の行動の展開と似ている。
 私有の古民家を今回お借りしてリーダー養成のキャンプ訓練が出来たことは贅沢なことだったなあと思った。後でみんなでたまげたのは、この家のペット。わんこ1匹、アメショー2匹、和猫1匹、そして馬。目に触れたペット達はこれくらい。馬は馬小屋とそれに続けて広い放牧場がくっついて設置され、馬は自分の気ままに小屋にいたり牧場にいたり。まるで動物園のような構造になっていた。
 あまりに私の現実から離れていて「くらくら」した。うらやましいと言うことではなく、人生というパイの皮を一枚めくってみた感じがした。これを不公平と言う人も多いだろうが、人の心の奥深くはその人にしかわからないもの。神様の目からはどのように見えるのだろうか。