寒くて

 まるで身体の内側から凍るような寒さがしみてくる。この得体の知れない寒さはなんだろうか。柿木が豊かに実をつけ銀杏の葉が色づく前に銀杏が落ちている。栗の木は毬を開いて栗色の実をおとす。秋は深まっていくが、どこかちぐはぐな姿をしている。
 頭が痛くなるこの寒さ。ミシミシと締め付けられるような寒さ。これはまもられている中で感じる寒さとは違う。寒さの中に放り投げられたまま寒さに吹きさらされている感じ・・・