昨日に引き続きエルビス

夕空

 あまりに有名になってしまった感のあるこの歌だが、彼が歌うとまったく軽やかな雰囲気を持つ。切なさが違う。重苦しくもない、厳かでもない。なんだか嬉しくなってくる。もしかした奴隷船の船員だったというこの歌の元になった人はこんな感じではないかと思うくらい胸倉をつかんで揺さぶられるのだ。
 この歌には原曲がある。「ニュー・ブリテン」と言う名で登録されている。牧師になったジョン・ニュートンは後にこの歌の元になった奴隷船の海難事故のなかでの信仰体験を土曜祈祷会のために作詞した。彼もまさかこの歌がはるか遠くの東洋の、日本の、我が家の茶の間で愛されているとは思うまい。しかもロック・シンガーで。
 キング・オヴ・ロック・・むしろゴスペルというより家族の中の歌と言う感じがする。とても個人的な感じがする。歌でトランス状態になってと言うより、「神様聞いて」と呼びかけている感じがする。
 激しく身体をゆすりながらのセクシーなイメージからはとても想像できない。ヤッパリ彼は天才なんだなあ・・・