今日は亡くなった息子の誕生日

夕陽のふた

死んだ子の年を数えるなんて
おろかなことの代名詞だと
私にもわかっているのです


今日
朝6時
あの子が生まれました


小さな赤ちゃんでした
今も私の手にあの子の感覚が残っています
どんな小さな身体の特徴も
表情も、声も、手の動きも
私の心は刻み込んでいます


そんな子供が生まれた日を
忘れることも
まして過去の出来事だなんて
思うことができるわけがないではないですか



私は
あの子の年を数え続けていくでしょう
私が生きている限り私と一緒にあの子も年齢を重ねていくのですから



いつまでたっても
あの子は16歳7ヶ月の少年
その先は
見ることができなかったことくらいわかっているのです


今日はあの子の誕生日です
大好きだったお肉と野菜をたっぷりと夕食に用意しました


秋の虫が
鳴いています
ゆっくりと時間が過ぎてゆきます