姫が弘前旅行から戻って

日常が戻ってきた。学校に行ったり、歯医者に行ったり、整骨に通ったり、バイトに行ったり、ささやかだけれど、自分らしいゆっくりとした時間の中で見えて来るものがあるだろう。私が私であると確認できる居心地のよさはそんな時間の中で育ってきた感覚の積み重ねだ。忙しさにまぎれて走り抜けるような日々であってはいけないと思うのは、ふと手に入ったこんなゆったりとした時間の中での気持ち。今日は午後から学校に姫を送り、仕事に行き、戻って整骨に行き、姫を歯医者に送り届ける。彼女が治療している間に今夜の食材を買おう。昨日預かったGSの評議会の会計簿を見直す必要も在るな。日曜日のリーダーズクラブとギャザリングの報告会の準備もある。でもとりあえず今できることをやろう。
ぼんやりTVをつけて仕事をしていたら、ハンス・コパー展があるという言葉が飛び込んできた。目が釘付けになった。12月4日から盛岡の県立美術館であるというではないか。行くぞ。何があっても彼の作品は見たい。ルーシー・リーは西と南を旅するらしく北には来ないのか・・・残念。南の方よぜひ行ってその感想を聞かせて欲しい。時代に翻弄され、ユダヤ人とドイツ人の間の子供であったが故の苦しみをなめ最後は難病で製作を奪われ死んで行った陶芸家の作品が私にくれるものはなんだろうか。光のように、心の隅の普段は目に留まらなかった思いを、照らしてくれるのかもしれない。私にだけわかるものであって、とてもひそやかなメッセージを受け取りにいきたい。