ブルース・スプリングスティーン

 このごろ矢も盾も無く聞きたくなって,CDを探して買ったり図書館から借りてきたりしている。彼の歌を聴いていると涙がこぼれてくる。言葉の一つ一つのなんと言う絶望感。今繰り返し聞いているのはこのアルバム。奥底に深い願いが感じられる。

グレイテスト・ヒッツ

グレイテスト・ヒッツ

 繰り返し聞いていると、言葉が聞き取れるようになる。際立って飛び込んでくる単語がある。物語が始まる。このまま走っていこう。風を受けて立とう。水が流れる、川になって。生について、死について、生活について、父と息子について、男と女について・・・さまざまなことについて彼は歌う。その切々としたメロデイは救いの無い渇きのようだ。それでいて何時かそれは祈りそのものに聞こえて、胸に刺さる。なぜ今急に聞きたくなったのか分からないけれど・・・昔彼に惹かれたときと心の風景が似ているのかもしれない。