それにしてもの雪

 これから仕事なのに、雪が降り続いている。訪問先は人間の居住限界の建物。ほとんど寝たきりで、話を聞こうにも、気が向かないと寝たふりをして、本当に眠ってしまう。
 せめて気候がよければ、気も晴れるでしょうに今日は降りつむ雪で、窓の無い部屋はただでさえ薄暗いのに、隣の部屋からのかすかな明かりも届かない。建てつけの悪い引き戸は開いてくれない。「壊さないでね」と前任者から申し送りがあったからおっかなびっくり触る。すべてが崩壊寸前。ここでの私の役割と、何ができるのかをゆっくり考えながら今日の仕事に向かう。
気合を入れていってきまっす。