自分の計画に無いことが起きると

アリスの白兎 「時間が無い!」


 途方にくれる。呆然とする。何かわけの分からない怒りを感じる。それは自分で予想もしなかったことにぶつかったときの反応。その中で自分の気持ちの収まりのよい物を選択してゆく。しかし、よくよく振り返ってみると、今目の前に起きていることは実ははじめから予測できたものであったに過ぎないことが分かる。それが起こるであろうことは予見できたのに、見ないで来た、気に留めなかったことごとが見えてきたに過ぎない。そのことに気がつくと、事態を受け入れる心の隙間ができてくる。不思議なことだけれど。そしてそれは、かつてあの人この人に、すでに起きていたことだと気がつく。その人たちがどのようにそのことを乗り越えて行ったのかも含めて、自分のこれからを改めて考えるゆとりが出てくる。そして自分の人生がそのことで少しも損なわれていないことに気がつく。失う物など何も無いのにと気付いたとき、また少し心が軽くなる。人生の歩き方を沢山の人が教えていてくれたのだと思うと、このことが起きたということにさえ面白さを感じる。不思議な心の世界。
 とらわれない生き方を、もっと自分の生き方にしてみたいと思う。捨てる。しがみつきを捨てる。そしてそこから自分らしくあることを学ぶ。不思議