あるがままに

 かなしいと思ったら
 悲しいといえばよい
 苦しかったら
 苦しいといえばよい
 誰のために我慢しているのか
 誰も心の中の嵐をとがめることはできない


 心が満たされるまで
 涙にかき暮れたらよい
 胸を打てばよい
 慰められることを振りほどいて
 たった一人で
 倒れるまで歩き続ければよい


 その思いを人間は誰も受け止めることはできないのだから


 雪が降れば雪になり
 狂おしく降り積む
 風になり海の波を砕き
 逆巻き吹き荒れる

 時が満ち
 心は
 解き放たれて
 いのちのふるさとに
 還る
 あるがままに


 豊かな沈黙と平安に満たされた
 還るべき場所に