蛙ちゃん

 留守の間に受験に必要なものを買いに行ってくれた。かつて自分が歩いた道を今、妹が歩こうとしている。それはきっと言葉を超えてさまざまなことを思い出させるのだろう。彼女と二人三脚で走ったあの日々を私もまた思い出す。寄り添うことができたのは、遠い昔、私自身が歩いた道だったから。手が記憶を持っていることが、ほんわかとうれしい。